【エッセイコンテスト入賞者による】図書・図書館史 合格レポート【近大通信司書2022-2023】

通信制大学
美弦
美弦

図書・図書館史の合格レポートを掲載します。

みけ子
みけ子

このレポートは全員提出なの?

美弦
美弦

選択科目だから、人によって異なるよ。

図書・図書館史を選択した方は参考にしてください!

※レポートの丸写しや類似した内容は不正とみなされます。あくまでも参考程度でよろしくお願いします!

設題

日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代、中世、近世、近代以降)の図書館発展の特徴をコンパクトに要約し、かつ私見(400字程度のまとめ)を述べてください。

合格レポート

日本の図書館発展の特徴をそれぞれの時代について要約し、私見を述べる。

1.古代

「古事記」や「日本書紀」に、文字情報の嚆矢は朝鮮半島から漢字という形でもたらされたという記述があり、我が国への漢字と書物の伝来は4,5世紀頃と思われている。552年に仏教が伝来し、国民を導く道徳のよりどころとして、聖徳太子により保護され興隆していった。仏教の伝来によって、仏典を保管する入れ物である経蔵や文庫の発生を促すことになった。

大化の改新では、文書中心主義であった律令制度が形成されると、各種の命令や報告は文書で行われるようになった。行政運営が盛んに行われる中、大宝律令により国の重要機関の一つとして登場したのが図書寮である。図書寮には直轄の官営事業として、朝廷や各省で使用する用紙を製造する紙屋院という工場があった。紙屋院で製造された紙の中には聖武天皇が奨励し、盛んに行われていた写経の際に使用する紙も製造されていた。

奈良・平安時代には、恵美押勝の乱で亡くなった人々を追善するために100万枚印刷されたという「百万塔陀羅尼経」があり、この印刷物は世界最古の印刷物とされている。

この時代、菅原道真は邸宅に紅梅殿と呼ばれる文庫を所有していたり、藤原道長は文学を自宅に2000余巻所蔵していたりなど、文庫を邸内に設けるようになった。

2.中世

鎌倉・室町時代になると、貴族に代わり武士が台頭するようになった。印刷出版としては中国の宋との交流が深まり、文書の複製技術が一段と高められた。版木に文字や図を彫って印刷する整版本は、江戸時代末期まで盛んに出版されたが姿を消し、現代の活字印刷の嚆矢は明治初年に本木昌造によって創始されている。

文学作品としては保元物語、平家物語、平治物語、源平盛衰記などの軍記物や新古今集、方丈記、古今著聞集、十六夜日記、徒然草、太平記、花伝書などが発表された。中でも金沢文庫と足利学校の文庫は貴重な中世史料の宝庫となっている。

3.近世

江戸時代では、封建社会において平和が続き、これまで貴族や僧侶の掌中に帰していたものが、武士や町人、つまり国民文化として栄えた。この時代では商業出版が営業として確立し、整版本が再び盛況を迎えるようになる。整版本は高額だが何度でも印刷可能であり、一般人にも本が流通し、読者人口が増え始めた。

徳川幕府の文庫として最初に設立された富士見亭文庫は、我が国最初の官立図書館と言えるだけでなく、江戸幕府の参考図書館である。三代将軍家光は「御書物奉公」を設置し、書物の管理をさせており、これは現代の司書に相当する。大名の文庫としては、蓬左文庫や南葵文庫などがあり、朝廷・公家の文庫として東山御文庫や陽明文庫がある。教育文庫としては昌平坂学問書にて学者と書庫が備えられており、教科書用の図書の出版も行われていた。

さらに江戸時代末期には庶民の読書機関としての図書館が出現するようになり、今日の国立国会図書館の源流であるとされる浅草文庫などがある。

4.近代以降

270年にわたった封建社会が崩壊し、明治維新という大改革が行われた。福沢諭吉によって欧米諸国の図書館の事情が紹介され、著書である「西洋事情」は大ベストセラーとなり、西洋の窓として民衆に迎えられた。この本は西洋の図書館がいかなるものであるかや、納本制度にも最初に触れたものであり、以後に与えた影響は大きい。

明治5年、京都に設立された集書会社が近代公共図書館の先駆けとなっており、他にも新聞縦覧書や貸本屋などが近代公共図書館の先駆けであると言える。

日本で初めて図書館の法律である「図書館令」が公布されたのは1899年(明治32年)であり、以後図書館関係法が成立するのは1945年の戦後以降になってからである。

戦後の図書館はアメリカの指導の元再出発し、設置や運営、司書の職務規定と資格、図書館奉仕など新しい図書館のあり方が示された図書館法が制定され、今日へと至っている。

5.私見

日本の図書館発展について時代に分け記述してきた。司書による図書館奉仕など、現代の図書館の形となったのは第二次世界大戦以降であり、それまでは図書利用者が限定されていたりした時代もあった。現代の「知る権利」が保障された図書館になるまでは、様々な時代に生きる人間の試行錯誤が繰り返されてきたことがわかる。

現代は誰もが情報に簡単にアクセスできるようになると共に情報過多となり、真偽不明な情報も飛び交うようになった。これからの図書館員は、提供する情報の正確性の保障と、WEBやSNSなどを利用した様々な情報提供のあり方を模索し実行していかなければならない。

さらに、少子高齢化が進んでいく現代において、「知る権利」を保障し続けるために、自動車文庫や貸出郵送サービスなど、様々なサービスのあり方も考えていかなければならない。このように現代は図書館において情報の提供のあり方について変革期が来ていると言える。これからの図書館発展には、図書館員だけでなく利用する人々にも共に考えてもらい、未来に繋げていくことが重要になってくると考える。

(2100文字)

(※ブログ掲載にあたり、字下げをなくし改行を増やしています。)

参考文献

・岩猿敏生『日本図書館史概説』日外アソシエーツ 2007

ポイント

今回、図書・図書館史のレポートは1回目で合格することができました。

講評では、「設題のポイントをしっかり押さえ、日本の図書館史を大変分かりやすくまとめられており秀逸でした」というお褒めの言葉をいただきました。

図書館の歴史について、日本だけでなく西洋もテキストには詳細な記載がありますが、自分の得意な方を選ぶ方がスムーズにレポートに書けると思います。

私は高校生の頃は日本史を得意としていたので、日本史を選びました。

古代、中世、近世、近代以降を要約するという設題なので、それぞれを要約すると字数は限られてきます。私見を含めると2000字を5つに分ける必要があるので、1時代につき400字程度しか書くことができません。全てを2100字に収めるためには、自分が歴史において重要だと感じた部分をピックアップし、上手くまとめる必要があります。

特に私見は400字程度必ず記載する必要があったので、長い歴史の部分をこれでもかと短く要約する必要があり、難しく感じました。

時代をブロックに分けてまとめていくと、綺麗なレポートに仕上げることができます。

(※先生の講評について著作権が生じることから、ここでは掲載していません。)

まとめ

今回、レポートには日本史を選びましたが、後の科目終末試験ではどちらに関して出題されるかわかりません。

私はWebの科目終末試験を受験した際、西洋についての試験問題が出題されました。

レポートはどちらか一方ですが、試験対策として日本も西洋もまとめておくことをおすすめします。

美弦
美弦

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